看護師がフットケアを行う際に大切なのが、チェックリストを使用して患者の状態を確認することです。糖尿病が進行している患者の場合、小さな傷をはじめとする些細なトラブルが引き金となって足を失う恐れがあります。足は患者自身の目視で異常を見つけにくい部位のため、看護師が患者の足をしっかり確認することがフットケアでは欠かせません。しかし、チェックリストなしでは仕事の慣れからくる油断が原因で、患者の足の異常を見落としてしまう可能性があります。そこでチェックリストの内容にもとづく足の確認が、患者の健康を守ることにつながるのです。
各種チェック項目の中で特に気をつけたいものとして、見えにくい小さな傷と水虫が挙げられます。普通ならば問題にならない小さい傷であっても、糖尿病が進行している患者の場合は危険な存在と化します。傷口が小さくても糖尿病により抵抗力が衰えていれば、そこから細菌が侵入して大きな被害をもたらしかねません。
一般的に水虫と呼ばれている症状は、カビの一種である白癬菌の感染により引き起こされるものです。こちらも普通なら皮が剥けたり、かゆみが出たりする程度で済みますが、糖尿病の患者にとっては非常に危険な存在となります。糖尿病の合併症である神経障害が現れていると、水虫を自覚できない場合もあるでしょう。小さな傷と同様に水虫の部分から細菌が侵入すると、大きな被害をもたらす恐れがあるため、指の間や爪など目の届きにくい部分をしっかり確認することが重要です。