フットケアの爪切りの注意点

足の爪切りは、看護師が行うフットケアの中でも難易度が高い部類です。そもそも爪の硬さや弾力は人それぞれで、かつ年齢によっても状態が変化してくるので、爪切りの難易度には個人差があります。爪の個人差に合わせてうまく対応する必要があり、フットケアならではの注意点も意識しなければなりません。爪先のフリーエッジとネイルベットの間にはイエローラインがありますが、これは緩やかなカーブを描いているのが特徴です。

その線に合わせて爪を切るラウンドに仕上げたくなりますが、この切り方はよくありません。フリーエッジの角を丸くして四角に近い状態に仕上げるスクエアオフが、フットケアでの爪切りの基本です。ラウンドの爪は見栄えは良いものの、爪の角の部分が皮膚に食い込んで巻き爪になる恐れがあります。また、深爪も爪が伸びる際に皮膚を巻き込む可能性が高いので、避けなければなりません。高齢者の場合は、巻き爪により歩行が困難になることが考えられます。さらに、糖尿病の患者の場合はより深刻で、組織の腐敗を引き起こしかねない巻き爪は極めて危険な存在です。

いずれにしても巻き爪を避けるためには、フットケアの爪切りにおいてスクエアオフの形に仕上げる必要があります。深爪にならないよう、フリーエッジの中央部分を1ミリほど残して角の部分の長さを中央に合わせるのが、フットケアでの理想の爪の切り方です。また、やすりを使用して尖りやすい爪の角の部分を、滑らかに仕上げることも欠かせません。